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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻2号

2018年02月発行

文献概要

研究

病理組織標本における波長依存性退色

著者: 富安聡1 三宅康之2 高木翔士2 大田喜孝1 佐藤信也1

所属機関: 1国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 医学検査学科 2倉敷芸術科学大学 生命科学部 生命医科学科

ページ範囲:P.214 - P.219

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Summary

 病理診断では,HE染色とともに多くの特殊染色が行われている.染色標本は,保存状態によって退色してしまうことがあり,その原因の1つとして光による影響がよく知られている.そこで,筆者らはHE染色および結合組織染色標本を用いて,さまざまな光負荷条件で退色の原因となる波長を検討した.その結果,全染色標本ともに紫外線B波(UVB,波長302nm付近)による顕著な退色が認められ,退色の主な原因が明らかとなった.

参考文献

1)福島範子:病理組織染色標本の退色に関して.病理技術 32:16,1985
2)鈴木由美恵,金子伸行:HE標本の退色の防ぎかた.検と技 22:977-982,1994
3)渡辺明朗,広井禎之:MT Seminar 組織標本の退色はなぜ起こるのか.Med Technol 34:185-187,2006
4)実験病理組織技術研究会:標本の褪色の原因と防止法.病理組織標本作製の理論,正明堂印刷,pp141-148,2008
5)水口國雄:ホルツァー染色法(佐伯リンタングステン法).「Medical Technology」別冊 最新 染色法のすべて(水口國雄編),医歯薬出版,pp165-168,2011
6)三宅洋一:画像の記録再現とCIE表色系.分光画像処理入門,東京大学出版会,pp13-17,2006
7)今井律子,夏目園子,大池里枝,他:自然尿細胞診標本の退色について.日臨細胞会誌 46:262-265,2007
8)環境庁「オゾン層保護検討会」(編):オゾン層を守る,日本放送出版協会,1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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