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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 症候群と尿沈渣成分

急速進行性腎炎症候群

著者: 藤乘嗣泰1 村山慶樹1 石光俊彦1

所属機関: 1獨協医科大学循環器・腎臓内科

ページ範囲:P.452 - P.454

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代表的な疾患・病態

 急性または潜在性に血尿・蛋白尿を伴って発症し,週〜月単位で進行する腎機能の悪化をきたす腎疾患であり,組織学的には半月体形成性糸球体腎炎の像を呈する.

 蛍光免疫染色により3つの型に分類される(表1).副鼻腔炎や間質性肺炎などの慢性炎症巣で好中球が持続的に活性化されると,myeloperoxidase(MPO)やproteinase3(PR3)に対する自己抗体である抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が産生される.このANCAにより糸球体係蹄壁が障害され,半月体を伴って発症するANCA関連血管炎による急速進行性糸球体腎炎は,pauci-immune型で,高齢者に多くみられる.

参考文献

●宿谷賢一,藤乗嗣泰,福田覚:尿沈渣の形態学による腎炎の鑑別診断:risk-free renal biopsy.病気の分子形態学(日本臨床分子形態学会編),学際企画,pp205-208,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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