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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 症候群と尿沈渣成分
慢性腎炎症候群
著者: 長岡由女1 菅野義彦1
所属機関: 1東京医科大学腎臓内科学分野
ページ範囲:P.455 - P.457
文献購入ページに移動慢性腎炎症候群(chronic nephritic syndrome)は,蛋白尿,血尿,高血圧を伴い,緩徐に腎機能が低下していく症候群である.
蛋白尿と血尿は,糸球体毛細血管壁(係蹄壁)やメサンギウム領域における免疫グロブリンや補体の沈着,炎症細胞の浸潤,メサンギウム細胞の増殖などにより出現する.その障害が持続し進行することにより糸球体の荒廃,喪失が進行し,ネフロン数が減少し糸球体濾過量が減少する.糸球体障害の原因になった疾患により,障害される部位と尿所見に違いがみられる.慢性腎炎症候群には,原因疾患にかかわらず共通した腎機能低下進展機序があることが知られている.
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