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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 症候群と尿沈渣成分

ネフローゼ症候群

著者: 日髙輝夫1 鈴木祐介1

所属機関: 1順天堂大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.462 - P.463

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代表的な疾患・病態

 ネフローゼ症候群とは,厚生労働省の診断基準によると,①蛋白尿:1日尿蛋白排出が蓄尿3.5g/日(もしくは随時尿3.5g/gCrも参考)以上,②低アルブミン血症:血清アルブミン3.0g/dL以下(血清総蛋白6.0g/dL以下も参考),③浮腫,④脂質異常症(高LDLコレステロール血症),を認める疾患であり,高度な蛋白尿の漏出を主な徴候とする疾患群である.アルブミンに代表される蛋白質が尿から漏出するために,低蛋白血症をきたし,膠質浸透圧の低下から浮腫をきたす.蛋白質の漏出が糸球体と尿細管の両者に障害を与えるため,漏出の程度が強い場合は腎障害から腎不全に至ることがある.

 原因としては,微小変化群,膜性腎症,膜性増殖性糸球体腎炎,ループス腎炎,急性糸球体腎炎などの原発性腎疾患に伴うものと,糖尿病やアミロイドーシス,多発性骨髄腫関連疾患による全身疾患に伴うものに分けられる.

参考文献

1)川辺民昭,黒木登美子,三宅秀一,他:ネフローゼ症候群における尿中卵円形脂肪体の特徴と意義.日臨細胞会誌 44:49-55,2005
2)堀田修,北村洋:尿沈渣成分の卵円形脂肪体と粘液糸.検と技 26:704-707,1998
3)堀田修:尿中脂肪球および卵円形脂肪体の鑑別法と臨床的意義.検と技 26:441-446,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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