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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 症候群と尿沈渣成分
ネフローゼ症候群
著者: 日髙輝夫1 鈴木祐介1
所属機関: 1順天堂大学医学部腎臓内科
ページ範囲:P.462 - P.463
文献購入ページに移動ネフローゼ症候群とは,厚生労働省の診断基準によると,①蛋白尿:1日尿蛋白排出が蓄尿3.5g/日(もしくは随時尿3.5g/gCrも参考)以上,②低アルブミン血症:血清アルブミン3.0g/dL以下(血清総蛋白6.0g/dL以下も参考),③浮腫,④脂質異常症(高LDLコレステロール血症),を認める疾患であり,高度な蛋白尿の漏出を主な徴候とする疾患群である.アルブミンに代表される蛋白質が尿から漏出するために,低蛋白血症をきたし,膠質浸透圧の低下から浮腫をきたす.蛋白質の漏出が糸球体と尿細管の両者に障害を与えるため,漏出の程度が強い場合は腎障害から腎不全に至ることがある.
原因としては,微小変化群,膜性腎症,膜性増殖性糸球体腎炎,ループス腎炎,急性糸球体腎炎などの原発性腎疾患に伴うものと,糖尿病やアミロイドーシス,多発性骨髄腫関連疾患による全身疾患に伴うものに分けられる.
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