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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 症候群と尿沈渣成分

慢性腎不全

著者: 大島恵1 古市賢吾1 和田隆志1

所属機関: 1金沢大学附属病院腎臓内科

ページ範囲:P.466 - P.468

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代表的な疾患・病態

 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)とは,腎障害を示唆する所見(検尿異常,画像異常,血液異常,病理所見など)と糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)60mL/分/1.73m2未満,のいずれか,または両方が3カ月以上持続することにより診断される.日本では,約1,330万人がCKDと推計されており,これは成人の約8人に1人に当たる1)

 成人CKDの原因には,糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎が多くみられる.若年成人で最も多い一次性腎疾患は慢性糸球体腎炎であり,特にIgA(immunoglobulin A)腎症の頻度が高い.一方,中年以降は膜性腎症の頻度が増加し,悪性腫瘍の合併にも注意する.

参考文献

1)日本腎臓学会(編):CKD診療ガイド2012,東京医学社,2012
2)日本腎臓学会(編):エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013,東京医学社,2013
3)日本臨床衛生検査技師会(監):一般検査技術教本(JAMT技術教本シリーズ),丸善出版,pp70-74,2017
4)日本臨床衛生検査技師会(編):尿沈渣検査法2010,日本臨床衛生検査技師会,pp25-26,2011
5)厚生労働科学研究費補助金[難治性疾患等克服研究事業〔難治性疾患等実用化研究事業(腎疾患実用化研究事業)〕]糖尿病性腎症ならびに腎硬化症の診療水準向上と重症化防止にむけた調査・研究 研究班(編):糖尿病性腎症と高血圧性腎硬化症の病理診断への手引き,東京医学社,pp62-64,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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