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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 疾患の解説
半月体形成性糸球体腎炎
著者: 宮城剛志1 古波蔵健太郎1 大屋祐輔1
所属機関: 1琉球大学大学院循環器・腎臓・神経内科学
ページ範囲:P.472 - P.473
文献購入ページに移動糸球体疾患において糸球体病変をきたす原因になっている疾患を病理学的に分類したのが腎病理組織診断である.一方で,その糸球体疾患を,それに伴ってみられる尿所見の特徴や腎機能低下の有無と進行スピードなど臨床症候の特徴に基づいて分類したのが症候診断である.
半月体形成性糸球体腎炎とは腎病理組織学的診断であり,腎生検で得られた観察糸球体のうち糸球体に50%以上半月体を呈する腎炎と定義される.半月体とは糸球体係蹄とボウマン囊の間のスペースが細胞成分や線維成分で占められた病変であり,管外増殖とも呼ばれる.近接する糸球体係蹄が強い炎症により傷害され断裂した結果,血漿蛋白や炎症細胞がボウマン囊内に漏出することにより病変が形成されると考えられている(図1).
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