icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 疾患の解説

微小変化型ネフローゼ症候群

著者: 谷山佳弘1

所属機関: 1近畿大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.476 - P.477

文献購入ページに移動
病態

 ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄障害による蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白と,これに伴う低蛋白血症を特徴とする症候群である.尿蛋白量と低アルブミン血症(低蛋白血症)の両所見を満たすことが本症候群の診断必須条件である.本症候群では低蛋白血症から浮腫,脂質異常症(高コレステロール血症),血液凝固異常,免疫不全,易感染性などを生じる.

 微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS)は一次性ネフローゼ症候群のなかでは最も高頻度にみられる病型であり,小児では7〜8割,成人でも3〜4割を占める.続発性にMCNSを発症するものも知られており,原因としては非ステロイド性消炎鎮痛薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)などの薬剤や悪性リンパ腫などの悪性疾患がある.

参考文献

1)Lee HY, Kim HS, Kang CM, et al:The efficacy of cyclosporine A in adult nephrotic syndrome with minimal change disease and focal-segmental glomerulosclerosis: a multicenter study in Korea. Clin Nephrol 43:375-381,1995
2)Fujinaga S, Hirano D, Nishizaki N, et al:Single daily high-dose mizoribine therapy for children with steroid-dependent nephrotic syndrome prior to cyclosporine administration. Pediatr Nephrol 26:479-483,2011
●松尾清一(監),厚生労働省難治性疾患克服研究事業進行性腎障害に関する調査研究班(編):エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2014.日腎会誌 56:909-1028,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?