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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 疾患の解説
微小変化型ネフローゼ症候群
著者: 谷山佳弘1
所属機関: 1近畿大学医学部腎臓内科
ページ範囲:P.476 - P.477
文献購入ページに移動ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄障害による蛋白透過性亢進に基づく大量の尿蛋白と,これに伴う低蛋白血症を特徴とする症候群である.尿蛋白量と低アルブミン血症(低蛋白血症)の両所見を満たすことが本症候群の診断必須条件である.本症候群では低蛋白血症から浮腫,脂質異常症(高コレステロール血症),血液凝固異常,免疫不全,易感染性などを生じる.
微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS)は一次性ネフローゼ症候群のなかでは最も高頻度にみられる病型であり,小児では7〜8割,成人でも3〜4割を占める.続発性にMCNSを発症するものも知られており,原因としては非ステロイド性消炎鎮痛薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)などの薬剤や悪性リンパ腫などの悪性疾患がある.
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