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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 疾患の解説
膜性増殖性糸球体腎炎
著者: 鷲田直輝1 葛西貴広1
所属機関: 1国際医療福祉大学医学部腎臓内科学講座
ページ範囲:P.484 - P.485
文献購入ページに移動膜性増殖性糸球体腎炎(membranoproliferative glomerulonephritis:MPGN)は,小児から若年者に多く,30歳以下の症例が大半である.血尿を伴うネフローゼ症候群が特徴といえる.発症様式としては,学校健診で血尿・蛋白尿を指摘され診断に至ることからネフローゼ症候群や急性腎炎様の急性発症まで多彩であるが,初診時には約半数がネフローゼ症候群を呈している.そのほかの症例も経過中に中等度(0.5g/日)以上の蛋白尿となることが多い.
MPGNは糸球体係蹄壁の肥厚とメサンギウム増殖が同時にみられる一次性糸球体疾患である.糸球体係蹄壁において補体系が何らかの原因で過剰に活性化された炎症性疾患といえる.原因不明の特発性MPGNは若年層(〜30歳代)にほぼ限られ,それ以降に発症するものはほとんどが種々の疾患に続発するといわれている.
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