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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 疾患の解説
糖尿病性腎症
著者: 小島智亜里1
所属機関: 1埼玉医科大学医学部腎臓内科
ページ範囲:P.486 - P.487
文献購入ページに移動糖尿病性腎症は糖尿病により糸球体,尿細管・間質の障害が生じた結果,蛋白尿の出現と腎機能低下をきたす疾患で,発症・進展には,①高血糖による細胞内代謝異常,②糸球体過剰濾過,③糖化最終生成物(advanced glycation end products:AGE),④遺伝子異常,⑤慢性微小炎症など様々な要因が関与している.糖尿病の三大合併症の1つで,1998年以降透析導入原疾患の第1位となっており,糖尿病の予後に影響する重要な疾患である.
典型的な糖尿病性腎症では,微量アルブミン尿(尿アルブミン値:30〜299mg/gCr)で発症し,蛋白尿が増悪してネフローゼ症候群となり,その後,血清クレアチニン値が上昇して透析導入に至る.最近,非典型的な経過をたどる症例の存在が明らかになっており,蛋白尿を伴わずに腎機能が低下する症例もみられている.
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