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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅴ 腎疾患 疾患の解説
ループス腎炎
著者: 安田聖一1 竜崎崇和1
所属機関: 1東京都済生会中央病院腎臓内科
ページ範囲:P.488 - P.490
文献購入ページに移動ループス腎炎(lupus nephritis:LN)は全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)に合併する腎病変である.SLE患者の生命予後は診断後5年で95%,10年で92%であるのに対し,腎炎合併例の生命予後は10年で88%と低下するとされており,LNは予後を規定する主要な臓器障害であるため,尿検査による早期発見が重要となってくる1).
SLEは,主に生殖年齢の女性に好発し,明らかな原因は不明であるが,自己寛容の破綻による多彩な自己抗体の出現と免疫複合体を介した炎症による皮膚,神経,腎臓などの組織障害を特徴とする全身性自己免疫疾患である.
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