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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅵ 泌尿器疾患 疾患と尿沈渣成分 ②尿路・性器腫瘍

腎癌

著者: 福原秀雄1 井上啓史1

所属機関: 1高知大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.510 - P.511

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病態

 腎癌は,腎実質から発生する悪性腫瘍で,組織型は70%が淡明細胞癌を呈する.まれな組織型としては乳頭状,嫌色素性,転座型などがある.本邦では年間約1万人が腎癌に罹患している.腎癌が発見される症状としては,古典的三徴候(肉眼的血尿,腹部腫瘤触知,腰背部痛)が知られている.最近では,検診やほかの疾患での画像検査で発見される偶発癌の症例が70%以上を占め,古典的三徴候で発見される腎癌は減少している.

 腎癌を発見する低侵襲検査としては,まず腹部エコーで腎腫瘤を発見し,続いて造影CT/MRI検査を実施していく.腎癌に有効な腫瘍マーカーはなく,検診による早期発見が必要である.

参考文献

1)Yuan JM, Castelao JE, Gango-Dominguez M, et al:Hypertension, obesity and their medications in relation to renal cell carcinoma. Br J Cancer 77:1508-1513,1998
2)Lamb GW, McMillian DC, Ramsey S, et al:The relationship between the preoperative systemic inflammatory response and cancer-specific survival in patients undergoing potentially curative resection for renal clear cell cancer.Br J Cancer 94:781-784,2006
3)Joriuau S, Vander Eckt K, Van Poppel H:The indications for partial nephrectomy in the treatment of renal cell carcinoma. Nat Clin Pract Urol 3:198-205,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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