文献詳細
文献概要
増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅵ 泌尿器疾患 疾患と尿沈渣成分 ②尿路・性器腫瘍
膀胱癌
著者: 福原秀雄1 井上啓史1
所属機関: 1高知大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.515 - P.517
文献購入ページに移動病態
膀胱癌は,膀胱の尿路上皮から発生する悪性腫瘍で,組織型が尿路上皮癌を呈する.60歳以降の比較的高年齢層に発症することが多く,男性に多く発生する.膀胱癌は,症状のない無肉眼的血尿を主訴とすることが多い.膀胱癌の発生リスクとしては,喫煙,職業性発癌,膀胱の慢性炎症,シクロホスファミドなどの抗癌剤の曝露などがある.特に喫煙は膀胱癌の罹患リスクが2〜5倍に増加する1).そして喫煙者に発生する膀胱癌は,非喫煙者と比較して腫瘍サイズが大きく,多発する傾向を有し,組織学的にも悪性度の高いものが多い.しかし,喫煙歴のある高齢者など高リスク群を対象とした場合には検尿や尿細胞診が有用とされるが検出精度が低く,スクリーニングマーカーとして有効なものはない.
また,その診断時において臨床病期TaおよびT1が約60%,上皮内癌が約2〜5%で,これら約70%が筋層非浸潤性膀胱癌といわれる.
膀胱癌は,膀胱の尿路上皮から発生する悪性腫瘍で,組織型が尿路上皮癌を呈する.60歳以降の比較的高年齢層に発症することが多く,男性に多く発生する.膀胱癌は,症状のない無肉眼的血尿を主訴とすることが多い.膀胱癌の発生リスクとしては,喫煙,職業性発癌,膀胱の慢性炎症,シクロホスファミドなどの抗癌剤の曝露などがある.特に喫煙は膀胱癌の罹患リスクが2〜5倍に増加する1).そして喫煙者に発生する膀胱癌は,非喫煙者と比較して腫瘍サイズが大きく,多発する傾向を有し,組織学的にも悪性度の高いものが多い.しかし,喫煙歴のある高齢者など高リスク群を対象とした場合には検尿や尿細胞診が有用とされるが検出精度が低く,スクリーニングマーカーとして有効なものはない.
また,その診断時において臨床病期TaおよびT1が約60%,上皮内癌が約2〜5%で,これら約70%が筋層非浸潤性膀胱癌といわれる.
参考文献
1)Hoover R, Cole P:Population trends in cigarette smoking and bladder cancer. Am J Epidemiol 94:409-418,1971
2)Thériault GP, Tremblay CG, Armstrong BG:Bladder cancer screening among primary aluminum production workers in Quebec. J occup med 32:869-872,1990
3)Shelfo SW, Brady JD, Soloway MS:Transurethral resection of bladder cancer. Urol Clin North Am 5:1-14,1997
掲載誌情報