icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅵ 泌尿器疾患 疾患と尿沈渣成分 ②尿路・性器腫瘍

前立腺癌

著者: 辻野拓也1 小村和正1 東治人1

所属機関: 1大阪医科大学泌尿生殖・発達医学講座泌尿器科学教室

ページ範囲:P.518 - P.520

文献購入ページに移動
病態

 前立腺は精液の大半を占める精漿を分泌する臓器である.精漿を分泌する腺上皮から発生するのが前立腺癌で,その95%以上は腺癌である.移行上皮癌や扁平上皮癌もまれにみられるが,その頻度は極めて低い.前立腺癌は加齢とともに発生頻度が高くなる.2016年の前立腺癌の罹患者数は全体で4位,男性では1位と近年増加傾向であり,さらなる増加が予想される.死亡者数は全体で8位,男性で6位と比較的予後は良好である.

 前立腺癌は,初期には無症状であるが,腫瘍増大に伴い,前立腺の位置的な関係から排尿症状をきたす.具体的には排尿困難,頻尿,残尿感,尿意切迫感,下腹部不快感,血尿などを生じる.

参考文献

●勝岡洋治(編):スタディメイト泌尿器科学,金芳堂,pp212-226,2009
●赤座英之(監),並木幹夫,堀江重郎(編):標準泌尿器科学 第9版,医学書院,pp281-287,2014
●市川智彦,鈴木啓悦(編):前立腺癌のすべて 第3版,メジカルビュー社,pp74-92,116-119,129-138,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?