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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅵ 泌尿器疾患 疾患と尿沈渣成分 ②尿路・性器腫瘍
前立腺癌
著者: 辻野拓也1 小村和正1 東治人1
所属機関: 1大阪医科大学泌尿生殖・発達医学講座泌尿器科学教室
ページ範囲:P.518 - P.520
文献購入ページに移動前立腺は精液の大半を占める精漿を分泌する臓器である.精漿を分泌する腺上皮から発生するのが前立腺癌で,その95%以上は腺癌である.移行上皮癌や扁平上皮癌もまれにみられるが,その頻度は極めて低い.前立腺癌は加齢とともに発生頻度が高くなる.2016年の前立腺癌の罹患者数は全体で4位,男性では1位と近年増加傾向であり,さらなる増加が予想される.死亡者数は全体で8位,男性で6位と比較的予後は良好である.
前立腺癌は,初期には無症状であるが,腫瘍増大に伴い,前立腺の位置的な関係から排尿症状をきたす.具体的には排尿困難,頻尿,残尿感,尿意切迫感,下腹部不快感,血尿などを生じる.
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