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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅶ 全身性疾患

高血圧

著者: 中野志仁1 有馬秀二1

所属機関: 1近畿大学医学部腎臓内科

ページ範囲:P.538 - P.540

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病態

 血液を全身に循環させるために心臓は血液に高い圧力をかけて動脈に送り出しているが,血圧とはその圧力によって血管壁が内側から押される力のことで,心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と血管の硬さ(血管抵抗)によって決定される.高血圧では動脈壁に高い圧力がかかり続けることで動脈硬化が惹起され,心筋梗塞や心不全を含む心血管疾患のリスクが増大する.実際,“健康日本21”では,日本人男性では収縮期血圧が10mmHg上昇すると,冠動脈疾患の罹患・死亡のリスクは約15%増加すると報告されている.したがって,心血管疾患の発症予防ならびに進展・再発予防に高血圧の管理は極めて重要であるが,高血圧は自覚症状に乏しい疾患であるため病識に欠けやすく,未治療者が多いのが問題である.さらに,降圧治療を受けている患者でも,その約半数は管理不十分と推測されている1)

 このようにわが国における高血圧管理はいまだ不十分であり,高血圧管理の改善,さらには国民の血圧水準そのものを低下させるような環境整備が必要と考えられている.

参考文献

1)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧の疫学.高血圧治療ガイドライン2014,ライフサイエンス出版,pp7-14,2014
2)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):血圧測定と臨床評価.高血圧治療ガイドライン2014,ライフサイエンス出版,pp15-30,2014
3)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):降圧薬治療.高血圧治療ガイドライン2014,ライフサイエンス出版,pp45-57,2014
4)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):臓器障害を合併する高血圧—腎疾患.高血圧治療ガイドライン2014,ライフサイエンス出版,pp67-73,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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