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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅶ 全身性疾患

白血病・悪性リンパ腫

著者: 菊池春人1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.547 - P.549

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病態

白血病

 白血病は造血細胞が骨髄で異常に増殖する悪性腫瘍である.古典的な分類は増殖している腫瘍細胞の由来から骨髄性とリンパ性に分類され,さらにそれぞれ急性,慢性と大きく分類される.急性,慢性という用語はもともと臨床経過を示すものであるが,白血病においては,芽球あるいは分化段階の途中の幼若な白血球が腫瘍化した場合を急性白血病と呼び,分化・成熟を伴って形態としてはほぼ正常な白血球が増殖している場合を慢性白血病と呼ぶ.この古典的な分類は,現在標準的な分類であるWHO(World Health Organization)分類などでは若干捉え方が違う部分もあるが,基本的な考え方として理解しておいてよいと思われる.

 WHO分類では白血病(リンパ腫含む)を細胞形態,遺伝子,染色体や細胞表面マーカーによって分類することで腫瘍細胞の由来を明確にし,治療へとつなげるものであるが,かなり複雑であり,時々改訂されることもあって全体を理解するのは難しいところもある.そのため,現在でもWHO分類の前に用いられていたFAB(French-American-British)分類の名称が(特に急性骨髄性白血病では)しばしば用いられている.

参考文献

1)吉沢梨津好:【尿沈渣検査症例アトラス】幼若な顆粒球系細胞が尿沈渣中に認められた1例.Med Technol別冊尿沈渣検査症例アトラス:208-209,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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