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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅶ 全身性疾患
貧血
著者: 依光大祐1 佐々木環2
所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター総合内科学1 2川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
ページ範囲:P.556 - P.558
文献購入ページに移動貧血とは,循環赤血球数の絶対数の減少,血液容積の赤血球細胞容積の減少であると定義される.しかし,その測定は容易に行えないため,通常は末梢血のヘモグロビン濃度やヘマトクリット値,赤血球数を用いて判断される.そのなかで血液単位容積当たりのヘモグロビン濃度が酸素運搬能を反映しており,実際の臨床症状に最も直結している.
貧血の病態を考えるとき,網赤血球に注目する.網赤血球は赤血球の分化・成熟過程において赤芽球が脱核してできるものである.網赤血球が増加した場合,反応性に骨髄で造血の亢進を示し,出血や溶血など骨髄外が原因の貧血を考える.一方,減少した場合,骨髄不全または何らかの理由で赤血球造血が抑制されていること示す.
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