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増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅶ 全身性疾患
黄疸
著者: 依光大祐1 佐々木環2
所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター総合内科学1 2川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
ページ範囲:P.560 - P.561
文献購入ページに移動ビリルビンは脾臓で赤血球中のヘモグロビンから作られる(間接ビリルビン=非抱合型ビリルビンという).肝臓に運ばれ,肝細胞内でグルクロン酸と抱合されて水溶性の直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)となる.直接ビリルビンは胆汁中に排泄されて,胆汁酸とともに十二指腸に流入する.そして,腸内細菌によってウロビリノーゲンに分解される.ウロビリノーゲンの多くは,酸化されてステルコビリンとなり便中に排泄される.便が黄褐色であるのはステルコビリンによるものである1).しかし,肝臓が何らかの原因で病的状態になると,全身倦怠感などの自覚症状が出現する.さらに血液中のビリルビンが増加して皮膚や眼球が黄染した状態,いわゆる黄疸を認めるようになる.
黄疸の原因は,①赤血球の破壊の亢進(溶血性黄疸),②肝細胞障害(肝細胞性黄疸),③胆管閉塞による腸管への通過障害(閉塞性黄疸),に分けられる.
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