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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅶ 全身性疾患

黄疸

著者: 依光大祐1 佐々木環2

所属機関: 1川崎医科大学総合医療センター総合内科学1 2川崎医科大学腎臓・高血圧内科学

ページ範囲:P.560 - P.561

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病態

 ビリルビンは脾臓で赤血球中のヘモグロビンから作られる(間接ビリルビン=非抱合型ビリルビンという).肝臓に運ばれ,肝細胞内でグルクロン酸と抱合されて水溶性の直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)となる.直接ビリルビンは胆汁中に排泄されて,胆汁酸とともに十二指腸に流入する.そして,腸内細菌によってウロビリノーゲンに分解される.ウロビリノーゲンの多くは,酸化されてステルコビリンとなり便中に排泄される.便が黄褐色であるのはステルコビリンによるものである1).しかし,肝臓が何らかの原因で病的状態になると,全身倦怠感などの自覚症状が出現する.さらに血液中のビリルビンが増加して皮膚や眼球が黄染した状態,いわゆる黄疸を認めるようになる.

 黄疸の原因は,①赤血球の破壊の亢進(溶血性黄疸),②肝細胞障害(肝細胞性黄疸),③胆管閉塞による腸管への通過障害(閉塞性黄疸),に分けられる.

参考文献

1)松原三郎:胆道ドレナージ看護の必須知識 黄疸って何?なぜ治療するの?.消外Nurs 21:353-360,2016
2)横山貴,堀田茂:各種尿沈渣成分の鑑別.そこが知りたい 尿沈渣検査(東間紘監),医歯薬出版,pp162-163,2006
3)石黒保直:症候とアセスメント 黄疸.ナーシング 29:58-60,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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