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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻4号

2018年04月発行

文献概要

増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック Ⅷ 術後・処置後

腎移植後

著者: 川本進也1

所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター腎臓内科

ページ範囲:P.572 - P.573

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病態

 1950年代に腎移植が開始されて以来,移植免疫反応の解明と免疫抑制薬の進歩によりその治療成績は著しく向上し,拒絶反応はコントロールできるようになってきているが,免疫抑制薬による感染症はいまだ大きな問題である.

 免疫抑制薬が選択性を持つようになり,腎移植後感染症も変化している.T細胞機能を選択的に抑制するカルシニューリン阻害薬(シクロスポリン,タクロリムス)が免疫抑制薬の主体となり,細菌感染症からウイルス感染症に変化してきている.移植後ウイルス感染症は,新たに曝露されての発症より,レシピエント内に潜在していたウイルスの再活性化やドナーから持ち込まれたウイルスが免疫抑制療法により再活性化されることで発症することが多い.

参考文献

1)東間紘(監),横山貴,堀田茂:そこが知りたい 尿沈渣検査.医歯薬出版,2006
2)横山貴,内記健二,堀田茂,他:検尿ノススメ 尿沈渣検査におけるBKウイルス感染細胞の検出.Nephrol Fronti 6:49-51,2007
3)伊藤國江:移植後ウイルス感染症のモニタリングとしての尿沈渣の役割—BKウイルスおよびアデノウイルスを中心に.Med Technol 43:1204-1209,2015
4)升谷耕介:移植後ウイルス感染.日腎会誌 55:133-143,2013
5)Nickeleit V, Hirsch HH, Zeiler M, et al:BK-virus nephropathy in renal transplants-tubular necrosis, MHC-class II expression and rejection in a puzzling game.Nephrol Dial Transplant 15:324-332,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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