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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻7号

2018年07月発行

文献概要

今月の特集1 尿検査の新たな潮流

メタボリックシンドローム保有リスク因子数と尿pHの関係

著者: 山西八郎1

所属機関: 1天理医療大学医療学部臨床検査学科

ページ範囲:P.814 - P.818

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Point

●メタボリックシンドローム(MS)のリスク因子保有数が多いほど,24時間蓄尿(24h尿)の水素イオン指数(pH)が有意に低下することが報告されている.

●2変量間の関係を解析する場合,両変数に影響すると考えられる変数を共変量とした共分散分析により,交絡による見掛けの有意性を制御することができる.

●MSリスク因子数と随時尿pHの間には,有意ではないが,リスク因子数が多いほど尿pHが上昇する傾向にあった.

●因果解析から,上述の関係は年齢と血清尿酸(UA)が交絡することによる見掛けの関係であると考えられた.

●Pointの最初に挙げた報告では,UAの影響が制御されていない可能性が考えられた.

参考文献

1)Maalouf NM, Cameron MA, Moe OW, et al:Low urine pH: a novel feature of the metabolic syndrome. Clin J Am Soc Nephrol 2:883-888,2007
2)Maalouf NM, Sakhaee K, Parks JH, et al:Association of urinary pH with body weight in nephrolithiasis. Kidney Int 65:1422-1425,2004
3)Taylor EN, Curhan GC:Body size and 24-hour urine composition. Am J Kidney Dis 48:905-915,2006
4)Cameron MA, Maalouf NM, Adams-Huet B, et al:Urine composition in type 2 diabetes: predisposition to uric acid nephrolithiasis. J Am Soc Nephrol 17:1422-1428,2006
5)山西八郎:随時尿pHとメタボリックシンドロームリスク因子.臨病理 62:692-698,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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