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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻7号

2018年07月発行

文献概要

生理検査道場・3

—24時間自由行動下血圧測定①—判読手順と異常値メカニズム

著者: 成田圭佑1 江口和男2

所属機関: 1唐津赤十字病院循環器内科 2羽生総合病院内科

ページ範囲:P.856 - P.860

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24時間自由行動下血圧測定の有用性

 24時間自由行動下血圧測定(ambulatory blood pressure monitoring:ABPM)は,高血圧症の診断や夜間血圧,血圧日内変動の精査などを目的に用いられる.診察室血圧や家庭血圧では評価できない日中活動時の覚醒時血圧(昼間血圧)および夜間就寝中の睡眠時血圧(夜間血圧)を評価することが可能であり,高血圧の診断や病態の把握に有用である.

 ABPMの主な適応として①白衣高血圧または仮面高血圧が疑われる場合,②夜間血圧の評価,③薬物治療抵抗性高血圧の評価,④降圧薬治療の評価(降圧作用の評価,または過降圧による起立性低血圧などを疑う症状がある場合),⑤血圧変動性(後述)の評価などが挙げられる.ABPMはわが国を含む各国の高血圧診療ガイドラインで推奨されており1),後述する早朝や夜間就寝中の血圧上昇や日内変動性の異常などは,脳卒中や心筋梗塞などといった心血管イベントの重要な危険因子とされている.

参考文献

1)日本循環器学会,日本高血圧学会,日本心臓病学会:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2009年度合同研究班報告) 24時間血圧計の使用(ABPM)基準に関するガイドライン(2010年改訂版),2010
2)エー・アンド・デイ:行動記録表(https://www.aandd.co.jp/adhome/pdf/tech_doc/me/action_record_sheet.pdf)(最終アクセス:2018年4月24日)
3)苅尾七臣(著),大倉綾子(訳):第1章 早朝高血圧.パーフェクト24時間血圧コントロールUp to date,ワイリー・パブリッシング・ジャパン,pp1-15,2015
4)Kario K, Tomitani N, Matsumoto Y, et al:Research and Development of Information and Communication Technology-based Home Blood Pressure Monitoring from Morning to Nocturnal Hypertension. Ann Glob Health 82:254-273,2016
5)Kario K, Pickering TG, Umeda Y, et al:Morning surge in blood pressure as a predictor of silent and clinical cerebrovascular disease in elderly hypertensives: a prospective study. Circulation 107:1401-1406,2003
6)Li Y, Thijs L, Hansen TW, et al:Prognostic value of the morning blood pressure surge in 5645 subjects from 8 populations. Hypertension 55:1040-1048,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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