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今月の特集 女性のライフステージと臨床検査
月経の異常
著者: 高村将司1 甲賀かをり1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学教室
ページ範囲:P.890 - P.896
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●月経は,視床下部・脳下垂体・卵巣からのホルモンによって調節されている.同ホルモンは月経周期に伴い正常値も変動するため,適切な時期に測定することが重要である.
●無月経,月経不順の原因は多岐にわたるが,卵胞刺激ホルモン(FSH),黄体化ホルモン(LH)の値によって,大まかに原因部位を特定することが可能である.家族歴の聴取,全身所見,既往歴も鑑別診断の参考になる.
●月経困難症は内診,超音波検査において原因をおおむね特定することが可能である.子宮内膜症の診断で用いる糖鎖抗原125(CA125)は月経期に高値を示すため,必ずその時期を外して測定する.
●MRIは,子宮内膜と病変の関係性や,深部子宮内膜症の評価に適している.子宮鏡は子宮内膜ポリープの評価,子宮内膜組織診は子宮体癌の除外診断に用いられる.
●月経は,視床下部・脳下垂体・卵巣からのホルモンによって調節されている.同ホルモンは月経周期に伴い正常値も変動するため,適切な時期に測定することが重要である.
●無月経,月経不順の原因は多岐にわたるが,卵胞刺激ホルモン(FSH),黄体化ホルモン(LH)の値によって,大まかに原因部位を特定することが可能である.家族歴の聴取,全身所見,既往歴も鑑別診断の参考になる.
●月経困難症は内診,超音波検査において原因をおおむね特定することが可能である.子宮内膜症の診断で用いる糖鎖抗原125(CA125)は月経期に高値を示すため,必ずその時期を外して測定する.
●MRIは,子宮内膜と病変の関係性や,深部子宮内膜症の評価に適している.子宮鏡は子宮内膜ポリープの評価,子宮内膜組織診は子宮体癌の除外診断に用いられる.
参考文献
1)McLemore MR, Aouizerat BE, Lee KA, et al:A comparison of the cyclic variation in serum levels of CA125 across the menstrual cycle using two commercial assays. Biol Res Nurs 14:250-256,2012
2)Košir Pogačnik R, Meden Vrtovec H, Vizjak A, et al:Possible role of autoimmunity in patients with premature ovarian insufficiency. Int J Fertil Steril 7:281-290,2014
3)石塚文平,杉下陽堂,河村和弘,他:早発卵巣不全.産婦の実際 61:1105-1110,2012
4)Champaneria R, Abedin P, Daniels J, et al:Ultrasound scan and magnetic resonance imaging for the diagnosis of adenomyosis: systematic review comparing test accuracy. Acta Obstet Gynecol Scand 89:1374-1384,2010
5)林保良:子宮鏡の臨床ABC,メジカルビュー社,pp47-48,2014
6)Kim MJ, Kim JJ, Kim SM:Endometrial evaluation with transvaginal ultrasonography for the screening of endometrial hyperplasia or cancer in premenopausal and perimenopausal women. Obstet Gynecol Sci 59:192-200,2016
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