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文献詳細

雑誌文献

臨床検査62巻8号

2018年08月発行

文献概要

短報

TRACP-5b高値が多発骨転移をきたした原発性前立腺癌診断のきっかけとなった1例

著者: 野口隆史1 友寄英二2

所属機関: 1さっぽろ下手稲通整形外科 2医療法人銀河Azクリニック

ページ範囲:P.984 - P.985

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Summary

 骨粗鬆症の診断,薬物加療を行ううえでの代謝動態の評価のため,骨代謝マーカーの検査を行うことが一般的となりつつある.酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRACP-5b)は破骨細胞の機能を直接表す有用な骨吸収マーカーであるが,従来のマーカーと比較して日内変動や腎機能の影響を受けにくいマーカーとして広く使用されており,閉経後の骨吸収だけでなく,病的な骨代謝亢進の病態を反映する.今回,軽微な外傷で発症した橈骨遠位端骨折を契機に骨粗鬆症の診断となり,TRACP-5bの異常高値をきっかけとして前立腺癌およびその多発骨転移の診断に至った症例を経験したので報告する.

参考文献

1)楊鴻生:血中骨型特異的酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b).日臨 68(増刊号1):219-224,2010
2)楊鴻生,中西守:酒石酸抵抗性ホスファターゼ:日臨 57(増刊号2):188-191,1999
3)三木降己,中弘志:破骨細胞特異的骨代謝マーカー 酒石酸抵抗性酸フォスタファーゼ5b分画(TRACP-5b).整と災外 52:69-74,2009
4)望月善子:酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP).Clin Calcium 16:948-955,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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