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短報
TRACP-5b高値が多発骨転移をきたした原発性前立腺癌診断のきっかけとなった1例
著者: 野口隆史1 友寄英二2
所属機関: 1さっぽろ下手稲通整形外科 2医療法人銀河Azクリニック
ページ範囲:P.984 - P.985
文献購入ページに移動骨粗鬆症の診断,薬物加療を行ううえでの代謝動態の評価のため,骨代謝マーカーの検査を行うことが一般的となりつつある.酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(TRACP-5b)は破骨細胞の機能を直接表す有用な骨吸収マーカーであるが,従来のマーカーと比較して日内変動や腎機能の影響を受けにくいマーカーとして広く使用されており,閉経後の骨吸収だけでなく,病的な骨代謝亢進の病態を反映する.今回,軽微な外傷で発症した橈骨遠位端骨折を契機に骨粗鬆症の診断となり,TRACP-5bの異常高値をきっかけとして前立腺癌およびその多発骨転移の診断に至った症例を経験したので報告する.
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