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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻1号

2019年01月発行

文献概要

今月の特集1 発症を予測する臨床検査—先制医療で5疾病に立ち向かう!

先制医療—先制医療を実現するために望まれる診断システム

著者: 齋藤邦明12

所属機関: 1藤田医科大学大学院医療科学専攻病態制御解析学/先進診断システム探索研究部門 2京都大学大学院医学研究科人間健康科学専攻

ページ範囲:P.6 - P.11

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Point

●先制医療とは,バイオマーカーを用いることで,高い精度で発症予測・診断を行い,発症前の適切な時期に治療的介入して発症を予防,あるいは遅らせる新しい医療のパラダイムシフトである.

●先制医療の実現には,生体の異常を健常と疾患の二元的な病態概念から切り離し,全身の健康状態の推移を健常,不健康(疾患予備群),軽症,重症のように連続的な病態として捉える必要がある.

●先制医療には,不健康状態を客観的に判断し新しく発症前診断(先制診断)できるシステムの開発が必須であり,品質保証されたバイオリソースの系統保存と個々人の正確な個人健康・医療情報を含んだビックデータの活用が重要である.

参考文献

1)井村裕夫:日本の未来を拓く医療 治療医学から先制医療へ,診療と治療社,2012
2)松尾雄志,桜井雅史,斉藤邦明:先制医療に必要なバイオリソース/データバンク:夢の実現に向けて.臨化 43:302-312,2014
3)松尾雄志,松波英寿,竹村正男,他:バイオリソースの有効活用:RECHSにおける仕組みづくりの重要性.臨病理 59:1124-1130,2011
4)Gluckman P, Hanson M:Developmental Origins of Health and Disease, Cambridge University Press,2006
5)日本版PHRを活用した新たな健康サービス研究会:「個人が健康情報を管理・活用する時代に向けて」〜パーソナルヘルスレコード(PHR)システムの現状と将来〜(2008年3月),2008(http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/service/downloadfiles/phr_houkoku_honbun.pdf)(最終アクセス:2018年11月9日)
6)桜井雅史,松尾雄志,村上由希,他:健康管理のデータベース化と解析方法.医療と検機器・試薬 37:437-441,2014
7)桜井雅史:医療・健康分野で求められるデータベース構築と効率的検索システム.臨検 60:996-1002,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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