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今月の特集2 薬の効果・副作用と検査値
抗リウマチ薬
著者: 亀田秀人1
所属機関: 1東邦大学医学部内科学教室膠原病学分野
ページ範囲:P.76 - P.81
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●関節リウマチ(RA)の治療効果の判定には赤血球沈降速度(ESR),C反応性蛋白(CRP),マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)が参考になり,リウマトイド因子(RF)や抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体の力価は治療効果の判定に用いない.
●合成抗リウマチ薬(DMARDs)の副作用としては,皮疹と肝障害が比較的共通してみられ,複数の薬剤を同時に開始すると原因薬剤の判断が困難になるため,同時併用ではなく開始時期をずらした追加併用が一般的である.
●生物学的製剤の有害事象は感染症と過敏反応に大別され,感染症のリスク要因は高齢,既存の肺合併症,副腎皮質ステロイド併用が共通している.
●インターロイキン6(IL-6)阻害製剤による白血球(好中球)減少の多くは白血球の局在変化に伴うものであり,感染症リスクと関連しない.ただし,IL-6阻害製剤投与中には,感染症に罹患してもしばしばCRPが正常範囲内であることに留意する.
●関節リウマチ(RA)の治療効果の判定には赤血球沈降速度(ESR),C反応性蛋白(CRP),マトリックスメタロプロテイナーゼ-3(MMP-3)が参考になり,リウマトイド因子(RF)や抗環状シトルリン化ペプチド(CCP)抗体の力価は治療効果の判定に用いない.
●合成抗リウマチ薬(DMARDs)の副作用としては,皮疹と肝障害が比較的共通してみられ,複数の薬剤を同時に開始すると原因薬剤の判断が困難になるため,同時併用ではなく開始時期をずらした追加併用が一般的である.
●生物学的製剤の有害事象は感染症と過敏反応に大別され,感染症のリスク要因は高齢,既存の肺合併症,副腎皮質ステロイド併用が共通している.
●インターロイキン6(IL-6)阻害製剤による白血球(好中球)減少の多くは白血球の局在変化に伴うものであり,感染症リスクと関連しない.ただし,IL-6阻害製剤投与中には,感染症に罹患してもしばしばCRPが正常範囲内であることに留意する.
参考文献
1)亀田秀人,竹内勤:疾患活動性の評価とT2T.日医師会誌 142:2211-2215,2014
2)日本リウマチ学会MTX診療ガイドライン策定小委員会(編):関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン2011年版,羊土社,2011
3)日本リウマチ学会MTX診療ガイドライン策定小委員会(編):メトトレキサートを服用する患者さんへ 第2版,2017(https://www.ryumachi-jp.com/pdf/mtx_2017.pdf)(最終アクセス:2018年9月12日)
4)日本リウマチ学会(編):関節リウマチ診療ガイドライン,メディカルレビュー社,2014
5)亀田秀人:TNF阻害薬.日臨 74:957-962,2016
6)亀田秀人:TNF阻害療法患者における薬剤濃度と抗薬剤抗体測定の意義.リウマチ科 56:125-128,2016
7)日本呼吸器学会生物学的製剤と呼吸器疾患・診療の手引き作成委員会(編):細菌感染症.生物学的製剤と呼吸器疾患診療の手引き,日本呼吸器学会,pp38-48,2014
8)山岡邦広:関節リウマチにおける抗リウマチ薬と帯状疱疹.日臨免疫会誌 39:181-189,2016
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