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文献概要
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策
被災地における感染対策の注意点
著者: 高山義浩1
所属機関: 1沖縄県立中部病院感染症内科
ページ範囲:P.1340 - P.1345
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●漠然と不要な感染対策を被災者に求めることのないよう,どのような感染症の潜在的脅威があるのかを検討する.
●高齢化が進行したわが国では,避難時と避難後の生活において介助を要する災害弱者を質的かつ量的に把握したうえでの支援が求められる.
●発災急性期は,自助努力のみで対応することを想定する.院内感染対策もまた,最低限を守りながらも最善を目指した調整を重ねる必要がある.
●守るべき最低限の対策を見誤らないためにも,平時から日常業務においてプライオリティを意識して感染対策を行うようにしたい.
●漠然と不要な感染対策を被災者に求めることのないよう,どのような感染症の潜在的脅威があるのかを検討する.
●高齢化が進行したわが国では,避難時と避難後の生活において介助を要する災害弱者を質的かつ量的に把握したうえでの支援が求められる.
●発災急性期は,自助努力のみで対応することを想定する.院内感染対策もまた,最低限を守りながらも最善を目指した調整を重ねる必要がある.
●守るべき最低限の対策を見誤らないためにも,平時から日常業務においてプライオリティを意識して感染対策を行うようにしたい.
参考文献
1)Iwata K, Ohji G, Oka H, et al:Communicable diseases after the disasters: with the special reference to the Great East Japan Earthquake. Journal of Disaster Research 7:746-753,2012
2)Inter-Agency Standing Committee (IASC):Humanitarian Action and Older Persons-An essential brief for humanitarian actors. WHO-HelpAge International, 2008(https://www.refworld.org/docid/490b0c102.html)(最終アクセス:2019年7月1日)
3)ODI, Network paper 53:Protecting and assisting older people in emergencies. London, 2005(https://www.files.ethz.ch/isn/93872/networkpaper053.pdf)(最終アクセス:2019年8月16日)
4)House S, Reed B:Emergency water sources: Guidelines for selection and treatment. Water, Engineering and Development Centre (WEDC), Loughborough University, UK, 1997(https://www.humanitarianlibrary.org/sites/default/files/2014/03/2011-5-8-emergency-water-sources-%28wedc%29.pdf)(最終アクセス:2019年8月16日)
5) Harvey P:Excreta Disposal in Emergencies. A Field Manual. An Inter-Agency Publication. WEDC, Loughborough University, UK, 2007(https://www.unicef.org/cholera/Chapter_9_community/19_Interagency-Excreta_disposal_in_emergencies.pdf)(最終アクセス:2019年8月16日)
6)金美賢,神垣太郎,三村敬司,他:東日本大震災後の宮城県における避難所感染症サーベイランス.日公衛誌 60:659-664,2013
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