文献詳細
文献概要
今月の特集2 大規模自然災害後の感染症対策
大規模自然災害とワクチンで予防できる疾患
著者: 神谷元1
所属機関: 1国立感染症研究所感染症疫学センター
ページ範囲:P.1353 - P.1357
文献購入ページに移動Point
●大規模自然災害発生状況下においては,迅速に対応しなくてはならない事項が山積し,感染症対策が遅れたり,妨げられたりする状況に陥りやすいため,平時からの疾病予防は大切である.
●避難所などの人口過密状態においては,流行しやすい疾患,重症化や合併症併発の恐れがある疾患は,定期接種,任意接種ともにあらかじめワクチンを接種しておくことが賢明である.
●有事の状況下において感染症患者が発生した場合,感染拡大予防のために,ワクチンを有効に活用する.
●大規模自然災害発生状況下においては,迅速に対応しなくてはならない事項が山積し,感染症対策が遅れたり,妨げられたりする状況に陥りやすいため,平時からの疾病予防は大切である.
●避難所などの人口過密状態においては,流行しやすい疾患,重症化や合併症併発の恐れがある疾患は,定期接種,任意接種ともにあらかじめワクチンを接種しておくことが賢明である.
●有事の状況下において感染症患者が発生した場合,感染拡大予防のために,ワクチンを有効に活用する.
参考文献
1)日本環境感染学会(アドホック委員会 被災地における感染症対策に関する検討委員会):大規模自然災害の被災地における感染制御マネージメントの手引き,2014(http://www.kankyokansen.org/other/hisaiti_kansenseigyo.pdf)(最終アクセス:2019年9月5日)
2)Connolly MA, Gayer M, Ryan MJ, et al:Communicable diseases in complex emergencies: impact and challenges. Lancet 364:1974-1983,2004
3)中島一敏,岡部信彦:感染症対策.災害時の公衆衛生 私たちにできること(國井修編),南山堂,pp87-108,2015
4)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Interim Immunization Recommendations for Individuals Displaced by a Disaster, 2019(https://www.cdc.gov/disasters/disease/vaccrecdisplaced.html)(最終アクセス:2019年9月5日)
5)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Immunization Recommendations for Disaster Responders, 2019(https://www.cdc.gov/disasters/disease/responderimmun.html)(最終アクセス:2019年9月5日)
6)MacNeil JR, Rubin L, McNamara L, et al:Use of MenACWY-CRM vaccine in children aged 2 through 23 months at increased risk for meningococcal disease: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices, 2013. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 63:527-530,2014
7)国立感染症研究所:IDWR 2012年第45号〈速報〉東日本大震災に関連した破傷風(東日本大震災関連の破傷風症例についての報告),2012(https://www.niid.go.jp/niid/ja/tetanis-m/tetanis-idwrs/2949-idwrs-1245.html)(最終アクセス:2019年9月5日)
掲載誌情報