臨床検査63巻2号

2019年02月発行

今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

災害医療の段階と臨床検査

著者： 三村邦裕¹

所属機関： ¹千葉科学大学危機管理学部

ページ範囲：P.162 - P.170

Point

●災害発生時に体系的な医療活動を行うためには，CSCATTTの原則が行動規範となる．

●災害発生後の段階では時間の経過とともに保健医療活動が変化し，臨床検査もそれに対応した項目が必要となる．

●災害医療の現場で臨床検査技師の活躍が期待できる．十分な貢献を行うためには，日頃からの準備と訓練が必要である．

参考文献

1）Gunn S, William A：Multilingual Dictionary Of Disaster Medicine And International Relief, Springer Science ＆ Business Media, Dordrecht, 1990

2）古川誠：イベント救護とマスギャザリング．日大医誌　75：245-246，2016

3）前川和彦：災害と災害医療．防災（吉川弘之著者代表），東京大学出版会，pp117-142，1996

4）近藤祐史，小井土雄一：災害時の医療活動　指揮命令系統と情報伝達/CSCATTT．救急医　40：273-278，2016

5）佐々木勝：災害時医療支援．医療従事者のための災害対応アプローチガイド，新興医学出版，pp14，27，2010

6）Virchow R：Thrombose und Embolie. Gefässentzündung und septische Infektion. In: Gesammelte Abhandlungen zur wissenschaftlichen Medicin. Hamm：219-752，1856

7）呂彩子：院外発症の肺動脈血栓塞栓症による突然死51例の病理形態学的検討．脈管学　43：627-632，2003

8）三村邦裕，松村聡：災害医療の実践と臨床検査．臨病理　65：266-279，2017

9）河嶌讓：精神科医として東日本大震災におけるDMAT活動を通じて．心身医　56：250-256，2016