臨床検査63巻2号

2019年02月発行

今月の特集2 災害現場で活かす臨床検査—大規模災害時の経験から

災害医療における超音波検査による検診活動

著者： 山本多美¹

所属機関： ¹済生会熊本病院中央検査部

ページ範囲：P.197 - P.202

Point

●装置の小型化が進み，高画質画像が得られるようになったことで，超音波検査は，災害現場でも頻繁に使用されるようになった．

●一晩の車中泊で血栓は形成される．エコノミークラス症候群の注意喚起は，発災直後から必要である．

●災害時に行う超音波検査は，深部静脈血栓症（DVT）の検査だけではない．急性期から支援に入る場合，技師はFASTやRUSHなどの習得も望まれる．

参考文献

1）掃本誠治，橋本洋一郎，坂本憲治，他：第2回熊本地震シンポジウム2018「災害時の受援力」，熊本地震血栓塞栓症予防プロジェクト，pp48-76，2018

1）Task Force Members, Konstantinides SV, Torbicki A, et al：2014 ESC Guidelines on the diagnosis and management of acute pulmonary embolism: The Task Force for the Diagnosis and Management of Acute Pulmonary Embolism of the European Society of Cardiology (ESC). Eur Heart J　35：3033-3069，3069a-3069k，2014

2）日本循環器学会，日本高血圧学会，日本心臓病学会：日本循環器学会/日本高血圧学会/日本心臓病学会合同ガイドライン（2012-2013年度合同研究班報告）　2014年版　災害時循環器疾患の予防・管理に関するガイドライン，日本循環器学会，2014

3）細川浩：災害時のVTEの効果的予防法は？．治療　98：1833-1835，2016

4）日本循環器学会，日本医学放射線学会，日本胸部外科学会，他：2016-2017年度活動　肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断，治療，予防に関するガイドライン（2017年改訂版），日本循環器学会，2017

5）坂本憲治：大規模災害時における塞栓症と抗凝固療法．Cardio-Coagul　4：49-53，2017