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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻2号

2019年02月発行

文献概要

検査説明Q&A・41

マラリアが疑われる場合,どのようなことに気をつけて検査を行えばよいですか?

著者: 菅沼明彦1

所属機関: 1新古賀病院総合診療科

ページ範囲:P.203 - P.208

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■疫学

 マラリアは現在に至るまで,人類に甚大な被害をもたらしており,結核,ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)感染症と並んで3大感染症の1つとされている.2016年の世界保健機関(World Health Organization:WHO)の報告によると,マラリアの発症者は2億人以上に達し,約45万人が死亡に至っている.91カ国において国内感染例が報告され(図1)1),サハラ以南のアフリカ諸国およびインドの15カ国が全体の80%を占めている2).死亡例の90%以上は,サハラ以南のアフリカ諸国である.

 国内では,戦前まで年間2万人の国内感染例が報告されていたが,1960年ごろには,土着のマラリアは消滅している3)

参考文献

1)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):CDC Malaria Maps, 2018(https://www.cdc.gov/malaria/travelers/about_maps.html)(最終アクセス:2018年10月24日)
2)World Health Organization (WHO):Key points: World malaria report 2017, 2017(http://www.who.int/malaria/media/world-malaria-report-2017/en/)(最終アクセス:2018年10月24日)
3)国立感染症研究所:The topic of this month 日本におけるマラリア.IASR 18(11)(No.213),1997(http://idsc.nih.go.jp/iasr/18/213/tpc213-j.html)(最終アクセス:2018年11月8日)
4)国立感染症研究所:発生動向調査年月報告数一覧(全数把握)四類感染症(全数),2018(https://www.niid.go.jp/niid/ja/ydata/7310-report-ja2016-20.html)(最終アクセス:2018年10月24日)
5)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):CDC and Malaria biology, 2018(https://www.cdc.gov/malaria/about/biology/index.html)(最終アクセス:2018年10月24日)
6)World Health Organization (WHO):Guidelines for the treatment of malaria, 3rd ed, WHO, Geneva,pp71-88,2015
7)国立国際医療研究センター熱帯病治療薬研究班オーファンドラッグ中央保管機関(https://www.nettai.org/)(最終アクセス:2018年11月8日)
8)Ashley EA, Dhorda M, Fairhurst RM, et al:Spread of artemisinin resistance in Plasmodium falciparum malaria. N Engl J Med 371:411-423,2014
9)日本医療研究開発機構新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「わが国における熱帯病・寄生虫症の最適な診断治療体制の構築」熱帯病治療薬研究班:寄生虫症薬物治療の手引き2017 改訂第9.2版,2017
10)国立感染症研究所:マラリアの検査法マニュアル 平成15年度,2003(http://www0.nih.go.jp/niid/para/atlas/japanese/manual/malaria.pdf)(最終アクセス:2018年10月24日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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