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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻2号

2019年02月発行

文献概要

Salon deやなさん。・19

「同志の誓いとレベルアップ!!」

著者: 柳田絵美衣12

所属機関: 1慶應義塾大学医学部病理学教室 2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット

ページ範囲:P.213 - P.213

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 東京にきて約1年が過ぎ,私ががんゲノム検査の道に進み約2年が経過した(しみじみ).現在,院内で手術を受けたなかで,同意を得られた全患者のがんゲノム検査を実施している.摘出された検体をホルマリン固定パラフィン包埋ブロックにし,薄切,HE染色する一連の病理標本作製を行う.HE染色を病理医が鏡検して,DNAを抽出する腫瘍細胞の位置をマッピングするとともに,そのマッピングした部位に存在する腫瘍細胞の割合を算出する.そのマッピングに従い,未染色標本数枚から腫瘍細胞をカリカリ削り取る.削り取った細胞からDNAを抽出して,DNA片に解析に必要な物質を結合させて,目的のDNA片を精製していき,それを次世代シークエンサーにアプライ!

 この一連の操作は,約1週間の時間を要する.この操作,現在2名の技師で実施しており,1週間で処理できる検体数は20〜30検体.検査申込検体数は1カ月で約100検体.もうギリギリ! この検査作業だけでなく,週2日は外来に出て,検査内容の説明を患者に,1人につき30分間みっちり行っているうえに,週に2回のエキスパートパネル(がんゲノム解析結果から治療方針を話し合うカンファレンス)に出席.“やりがい”は,とてつもなくある! しかし,2人しかいない! この仕事量をこの人数でこなせるには理由があるのだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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