文献詳細
増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
3章 消化器疾患
文献概要
虚血性大腸炎は急性発症の腹痛と血便をきたす疾患であり,腸管虚血に起因するが主幹動脈の閉塞は伴わない.典型例では急性発症の左側腹部痛から下腹部痛,下痢便に続いて血便をきたす.発生機序として,血管側因子(動脈硬化や血管攣縮)と腸管側因子(拡張や過剰収縮による腸内圧上昇)が考えられている.組織損傷の程度によって一過性型,狭窄型,壊死型に分類される.一過性型が大半を占め,速やかに改善し狭窄は残らない.狭窄型は1割程度である.壊死型はまれであるが,腸壁全層の壊死をきたし予後不良である.
参考文献
1)畠二郎,今村祐志,眞部紀明,他:虚血性腸病変の超音波診断.胃と腸 48:1769-1777,2013
2)飯田三雄,松本主之,廣田千治,他:虚血性腸病変の臨床像.胃と腸 28:899-912,1993
3)大川清孝,佃博,青木哲哉,他:虚血性大腸炎急性期の内視鏡像の検討.Gastroenterol Endosc 46:1323-1332,2004
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