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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
7章 血液・造血器疾患
文献概要
慢性骨髄性白血病(CML)は,染色体9番と22番の相互転座によりフィラデルフィア(Ph)染色体,BCR-ABL1融合遺伝子が形成され,BCR-ABL1蛋白(チロシンキナーゼ)の恒常的活性化が起こり発症する.慢性期は無症状であることが多く,進行とともに肝脾腫などの臨床症状が出現し,無治療では移行期,急性転化期へ進行する.チロシンキナーゼ阻害剤治療により,治療成績は慢性期CMLでは著明に向上したが,急性転化期では不良である.CML診断に最も重要なのは,Ph染色体またはBCR-ABL1融合遺伝子の同定である1).
参考文献
1)日本血液学会(編):慢性骨髄性白血病/骨髄増殖性腫瘍.造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版 第2版,金原出版,pp89-94,2018
2)永田泰之,竹下明裕:類白血病反応.別冊 血液症候群(第2版)Ⅱ,日本臨牀社,pp13-17,2013
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