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文献詳細

雑誌文献

臨床検査63巻8号

2019年08月発行

文献概要

今月の特集 知っておきたい がんゲノム医療用語集

検査(ライブラリー作製,次世代シークエンサー)に関する用語

著者: 赤羽俊章1

所属機関: 1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科腫瘍学講座病理学分野

ページ範囲:P.934 - P.939

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ターゲットシークエンス

 ターゲットシークエンスは,その名の通り,目的の遺伝子であるターゲットに読む範囲を限定し,DNA配列を決定する手法のことである.ターゲットエンリッチメントとも呼ばれる.標的領域のDNAを増幅し配列を決定する,という意味で理解していただいて差し支えない.領域を絞ることで,その領域のみを深く読めること(high depth)から,感度を上げて変異を検出することができるようになり,結果の信頼性が上がる.ホルマリン固定パラフィン包埋(formalin fixed paraffin embedded:FFPE)検体由来のDNAなど,固定後修飾,核酸断片化が進行しているようなサンプルを使用する場合,high depthに解析し,検出した変異の信頼性を得ることが重要である.また,読む遺伝子領域の長さと解析コストは比例するが,複数サンプルの特定領域のDNA配列を読むことで低コスト,ハイスループットの解析が可能になる.

 ターゲットシークエンスにはいくつかの手法があり,現在多く使われているものとして,

・アンプリコンシークエンス法

・キャプチャーシークエンス法

・アンプリコンシークエンス/分子バーコード法

 がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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