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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻12号

2020年12月発行

文献概要

今月の特集2 臨床検査とIoT

IoT時代の医療現場の戦略

著者: 中島直樹1

所属機関: 1九州大学病院メディカル・インフォメーションセンター

ページ範囲:P.1410 - P.1417

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Point

●スマートフォンの普及に伴って,PHRアプリが医療情報と日常の身体・行動情報(IoT情報)を融合する窓口となるであろう.

●PHRは,出生から死亡に至る生涯の健康医療情報の集約統合を目指している.そのためにはデータの相互運用性が重要であり,これによってPHR事業者に依存しないデータの継続性が担保される.

●PHRは,電子カルテ(EMR)や健診データからユースケースごとに定義されたデータ項目を効率良く収集し,利用者にわかりやすく表示せねばならない.各臨床分野でのユースケースの策定が急務である.

●臨床検査部門は,PHRなどで質の高い検査データ同士では統合管理できるようにし,一方で,質の低いデータとは区別できるように,HL7®や臨床検査項目分類コード第10版(JLAC10)など標準規格にも準拠した属性情報の入力,保存,送信を心掛けるべきである.

参考文献

1)総務省:令和元年版情報通信白書(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/index.html)(最終アクセス:2020年8月13日)
2)中島直樹:PHRを活用した糖尿病療養指導.糖尿病学2020(門脇孝,山内敏正編),診断と治療社,pp120-129,2020
3)日本医学会:医学用語辞典(http://jams.med.or.jp/dic/mdic.html)(最終アクセス:2020年8月13日)
4)藤井進:個人情報ビジネスと医療情報—医療の情報化と医療情報の実態.久留米医会誌 82:83-96,2019
5)厚生労働省:医療等分野情報連携基盤検討会 保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組み及び標準的な医療情報システムについて(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/000555960.pdf)(最終アクセス:2020年2月29日)
6)首相官邸:「どこでもMY病院」構想の実現 説明資料(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/iryoujyouhou/dai1/siryou5_1.pdf)(最終アクセス:2020年9月25日)
7)日本HL7協会 高坂定:FHIRのご紹介(http://www.hl7.jp/docs/69seminar_2_HL7.pdf#search='HL7+FHIR')(最終アクセス:2020年9月25日)
8)Nakashima N, Noda M, Ueki K, et al:Recommended configuration for personal health records by standardized data item sets for diabetes mellitus and associated chronic diseases: A report from Collaborative Initiative by six Japanese Associations. J Diabetes Investig 10:868-875,2019
9)Nakashima N, Noda M, Ueki K, et al:Recommended configuration for personal health records by standardized data item sets for diabetes mellitus and associated chronic diseases: a report from a collaborative initiative by six Japanese associations. Diabetol Int 10:85-92,2019
10)日本医療情報学会:PHR推奨設定 第1版(基本シート)(http://jami.jp/medicalFields/2018Oct23_04.pdf)(最終アクセス:2020年8月13日)
11)World Health Organization (WHO):Patient Engagement: Technical Series on Safer Primary Care(https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/252269/9789241511629-eng.pdf?sequence=1)(最終アクセス:2020年2月29日)
12)Health IT government:Meaningful Use(https://www.healthit.gov/topic/meaningful-use-and-macra/meaningful-use)(最終アクセス:2020年2月29日)
13)西村由希子:患者団体等が主体的に運用する疾患横断的な情報基盤プラットフォームの運用およびそれを用いたQOL調査研究実施.薬理と治療 46:1121-1124,2018
14)入国時にコロナ感染有無を提示 アプリで世界共通証明書,朝日新聞デジタル,2020年7月9日(https://www.asahi.com/articles/ASN786WS0N77ULFA01V.html)(最終アクセス:2020年8月13日)
15)Common Pass Project(https://thecommonsproject.org/commonpass)(最終アクセス:2020年8月13日)
16)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2019,ライフサイエンス出版,2019
17)日本臨床検査医学会:臨床検査項目分類コード(https://www.jslm.org/committees/code/)(最終アクセス:2020年9月25日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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