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今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例 Ⅱ.腹部超音波
急性肝炎
著者: 丸山憲一1 内村智也1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
ページ範囲:P.654 - P.659
文献購入ページに移動急性肝炎とは,主に肝炎ウイルスが原因で起こる急性のびまん性疾患であり,肝炎ウイルスにはA,B,C,D,E型の5種類が確認されている.肝炎ウイルスではないものの,EBウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)による伝染性単核球症やサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染に伴う肝障害も知られており,さらには,急性肝炎様に発症する自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)や抗菌薬,解熱鎮痛抗炎症薬,精神神経領域薬などで肝障害をきたす薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)も存在する.
超音波検査では,まず閉塞性黄疸の鑑別として胆道系(肝内胆管や総胆管,膵頭部癌や十二指腸乳頭部癌など)の閉塞病変について確認することが重要である.胆道系の閉塞病変がみられなければ,次に急性肝炎(肝障害)を鑑別として考える.
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