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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻6号

2020年06月発行

文献概要

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例 Ⅱ.腹部超音波

急性肝炎

著者: 丸山憲一1 内村智也1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部

ページ範囲:P.654 - P.659

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本疾患の超音波検査所見

 急性肝炎とは,主に肝炎ウイルスが原因で起こる急性のびまん性疾患であり,肝炎ウイルスにはA,B,C,D,E型の5種類が確認されている.肝炎ウイルスではないものの,EBウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)による伝染性単核球症やサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染に伴う肝障害も知られており,さらには,急性肝炎様に発症する自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)や抗菌薬,解熱鎮痛抗炎症薬,精神神経領域薬などで肝障害をきたす薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)も存在する.

 超音波検査では,まず閉塞性黄疸の鑑別として胆道系(肝内胆管や総胆管,膵頭部癌や十二指腸乳頭部癌など)の閉塞病変について確認することが重要である.胆道系の閉塞病変がみられなければ,次に急性肝炎(肝障害)を鑑別として考える.

参考文献

1)大藤正雄(編):消化器超音波診断学,医学書院,p43,1985
2)羽鳥知樹:超音波によるびまん性肝疾患の肝・脾サイズの計測 腹腔鏡肝表面像との比較.日画像医誌 8:120-127,1989
3)持田智,滝川康裕,中山伸朗,他:我が国における「急性肝不全」の概念,診断基準の確立:厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班,ワーキンググループ-1,研究報告.肝臓 52:393-398,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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