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文献概要
今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例 Ⅱ.腹部超音波
自己免疫性膵炎
著者: 丸山憲一1 内村智也1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部
ページ範囲:P.666 - P.671
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自己免疫膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)は自己免疫機序が関与する特異な膵炎で,血清免疫グロブリンG4(immunoglobulin G4:IgG4)値が高率かつ特異的に上昇し,IgG4陽性形質細胞の浸潤を病変組織に認める.中高年の男性に多く,膵の腫大や腫瘤とともに,しばしば閉塞性黄疸を認めるため,膵癌や胆管癌などとの鑑別が必要である.
超音波検査は臨床の場で広く行われており,腹部症状・所見を有する患者に対して最初に行われ,AIPを診断するきっかけとなる検査法である.実際に,AIPが検診で発見されることも報告されている.
自己免疫膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)は自己免疫機序が関与する特異な膵炎で,血清免疫グロブリンG4(immunoglobulin G4:IgG4)値が高率かつ特異的に上昇し,IgG4陽性形質細胞の浸潤を病変組織に認める.中高年の男性に多く,膵の腫大や腫瘤とともに,しばしば閉塞性黄疸を認めるため,膵癌や胆管癌などとの鑑別が必要である.
超音波検査は臨床の場で広く行われており,腹部症状・所見を有する患者に対して最初に行われ,AIPを診断するきっかけとなる検査法である.実際に,AIPが検診で発見されることも報告されている.
参考文献
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