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今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例 Ⅲ.血管超音波
下肢静脈瘤
著者: 小谷敦志1
所属機関: 1近畿大学奈良病院臨床検査部
ページ範囲:P.690 - P.694
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立位あるいは坐位において,表在静脈を鼠径部から下方に向かって評価する.大伏在静脈(great saphenous vein:GSV),副伏在静脈,小伏在静脈(small saphenous vein:SSV)(Giacomini静脈を含む)を描出し,肉眼的に観察される静脈瘤との連続性を確認する.そのうえでドプラ法を用い,観察部部位より末梢部を血流誘発法(ミルキング手技あるいはValsalva負荷)で同静脈の逆流の有無を観察する.また,穿通枝ではDodd穿通枝を含む大腿部穿通枝,下腿穿通枝においてはBoyd穿通枝を含む傍脛骨穿通枝(paratibial perforator),高位,中位,低位Cockett穿通枝を含む後脛骨穿通枝(posterior tibial perforator)などが検査対象となることが多く,血管拡張が認められた場合には,ミルキング手技により弁不全の評価を行う.これら以外の非典型例では,静脈瘤側から大腿部,膝窩部,下腿不全穿通枝,陰部静脈瘤,骨盤内静脈などへの静脈瘤との連続性を評価して原因となる静脈弁不全を探す.
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