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今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える
カンジダの同定・薬剤感受性試験
著者: 川上小夜子1
所属機関: 1国立感染症研究所 薬剤耐性(AMR)研究センター2室
ページ範囲:P.778 - P.785
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●合成発色基質培地上のコロニーの色調でカンジダ属の菌種を鑑別する場合には,Candida albicansに類似し抗真菌薬に耐性傾向が高いC. dubliniensisが存在することに留意する.
●新興病原体として注目されているC. aurisは多剤耐性株が多く報告されているが,従来法での同定は困難である.マトリックス支援レーザー脱離イオン飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)では,ブルカージャパン社のMALDI Biotyperでもビオメリュー社のVITEK®MSでも最新バージョンのデータベースで同定することが可能である.
●わが国で市販されているカンジダ属菌の微量液体希釈用パネルは米国臨床検査標準協会(CLSI)のM27-A3(2008年)の判定基準が採用されているが,CLSIから2017年に新たに出された判定基準のM27 Ed4,M60 Ed1や欧州抗菌薬感受性試験委員会(EUCAST)の2020年版判定基準とは大きく異なっており,見直しが必要な時期にきていると思われる.
●合成発色基質培地上のコロニーの色調でカンジダ属の菌種を鑑別する場合には,Candida albicansに類似し抗真菌薬に耐性傾向が高いC. dubliniensisが存在することに留意する.
●新興病原体として注目されているC. aurisは多剤耐性株が多く報告されているが,従来法での同定は困難である.マトリックス支援レーザー脱離イオン飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)では,ブルカージャパン社のMALDI Biotyperでもビオメリュー社のVITEK®MSでも最新バージョンのデータベースで同定することが可能である.
●わが国で市販されているカンジダ属菌の微量液体希釈用パネルは米国臨床検査標準協会(CLSI)のM27-A3(2008年)の判定基準が採用されているが,CLSIから2017年に新たに出された判定基準のM27 Ed4,M60 Ed1や欧州抗菌薬感受性試験委員会(EUCAST)の2020年版判定基準とは大きく異なっており,見直しが必要な時期にきていると思われる.
参考文献
1)Sullivan D, Coleman D:Candida dubliniensis: characteristics and identification. J Clin Microbiol 36:329-334,1998
2)Larone DH(原著),山口英世(監),吉田敦,鈴木秀鷹,奥住捷子(共訳):医真菌 同定の手引き 第5版,栄研化学,2013
3)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Identification of Candida auris(https://www.cdc.gov/fungal/candida-auris/identification.html?)(最終アクセス:2020年5月22日)
4)金坂伊須萌,金山明子,伊藤隆光,他:新規酵母様真菌同定システムBD Phoenix ID yeastを用いた臨床分離酵母様真菌の同定.感染症誌 90:787-791,2016
5)Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI):Reference method for broth dilution antifungal susceptibility testing of yeasts; 4th ed. CLSI document M27, CLSI, Wayne PA, 2017
6)Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI):Performance standards for antifungal susceptibility testing of yeasts. CLSI supplement M60, CLSI, Wayne PA, 2017
7)Niimi K, Monk BC, Hirai A, et al:Clinically significant micafungin resistance in Candida albicans involves modification of a glucan synthase catalytic subunit GSC1 (FKS1) allele followed by loss of heterozygosity. J Antimicrob Chemother 65:842-852,2010
8)European Committee on Antimicrobial Susceptibility Testing (EUCAST):Clinical breakpoints for fungi v.10.0(https://www.eucast.org/fileadmin/src/media/PDFs/EUCAST_files/AFST/Clinical_breakpoints/AFST_BP_v10.0_200204.pdf)(最終アクセス:2020年5月22日)
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