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文献詳細

雑誌文献

臨床検査64巻7号

2020年07月発行

文献概要

研究

過ヨウ素酸を媒染剤に用いた新規azan-Mallory染色

著者: 富安聡1 三宅康之2 大塚百華3 四丸知弥3 澁田樹1 宿谷賢一13 大田喜孝13 佐藤信也13

所属機関: 1国際医療福祉大学福岡保健医療学部医学検査学科 2倉敷芸術科学大学生命科学部生命医科学科 3国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻臨床検査学分野

ページ範囲:P.817 - P.821

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Summary

 azan染色を行う際には,劇物である重クロム酸カリウムおよびトリクロロ酢酸を含む媒染剤を用いる必要がある.そのため,試薬の管理や使用には十分な注意を払わなければならない.今回,筆者らは劇物に指定されておらず,有害性が報告されていない過ヨウ素酸を媒染剤に用いた染色法を検討した.その結果,過ヨウ素酸濃度を10%とすることで従来法と同等の染色結果を得ることができ,病理診断に有用であることが示唆された.

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会(監):結合組織染色.JAMT技術教本シリーズ 病理検査技術教本,丸善出版,pp199-337,2016
2)龍見重信,西川武,鈴木久恵,他:ピクリン酸の媒染剤としての有用性 ピクリン酸加温条件下でアザン染色の染色性は改善される.医学検査 65:78-83,2016
3)龍見重信,松尾郁,東千陽,他:新アザン染色法—飽和ピクリン酸アゾカルミンG染色液.病理技術 81:6-8,2018
4)長谷川秀浩,種村直美,上村綾香,他:マイクロ波加熱分解法により作成されたアゾカルミンG染色液を使用した際のアザン染色法における有用性.医学検査 66:91-95,2017
5)山田正人,江口正信,水口國雄:結合組織の染色;アザン染色.月刊Medical Technology別冊 最新 染色法のすべて,医歯薬出版,pp12-13,2011
6)実験病理組織技術研究会(編):膠原線維染色.病理組織標本作製の理論,実験病理組織技術研究会,pp63-75,2008
7)磯崎勝:膠原線維の染め分け機構の解明—アザン染色,マッソントリクローム染色を中心に.病理技術 76:15-18,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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