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文献概要
今月の特集1 今さら? 今だから学ぶPCR
PCRの基本原理と実際
著者: 髙崎智彦1
所属機関: 1神奈川県衛生研究所
ページ範囲:P.1142 - P.1147
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●RT-PCRの“RT”は逆転写反応のことであり,リアルタイムPCRのリアルタイムの略ではない.RNAをPCRで増幅するには逆転写反応が必須である.
●グラム陰性桿菌好気好熱性の細菌Thermus aquaticus由来の酵素であるTaqポリメラーゼがPCR技術の確立に寄与した.
●リアルタイムPCR法は,PCR産物の増幅量をリアルタイムでモニターし解析する方法で,迅速性と定量性に優れている.インターカレーター法と蛍光標識プローブ法の2種類がある.
●感度の高い遺伝子検出法であっても,結果には判定保留域があることと,特にウイルスの場合,必ずしもウイルス遺伝子陽性=感染性粒子でないことに留意する必要がある.
●RT-PCRの“RT”は逆転写反応のことであり,リアルタイムPCRのリアルタイムの略ではない.RNAをPCRで増幅するには逆転写反応が必須である.
●グラム陰性桿菌好気好熱性の細菌Thermus aquaticus由来の酵素であるTaqポリメラーゼがPCR技術の確立に寄与した.
●リアルタイムPCR法は,PCR産物の増幅量をリアルタイムでモニターし解析する方法で,迅速性と定量性に優れている.インターカレーター法と蛍光標識プローブ法の2種類がある.
●感度の高い遺伝子検出法であっても,結果には判定保留域があることと,特にウイルスの場合,必ずしもウイルス遺伝子陽性=感染性粒子でないことに留意する必要がある.
参考文献
1)Mullis KB, Faloona FA:Specific synthesis of DNA in vitro via a polymerase-catalyzed chain reaction. Methods Enzymol 155:335-350,1987
2)Saiki RK, Scharf S, Faloona F, et al:Enzymatic amplification of beta-globin genomic sequences and restriction site analysis for diagnosis of sickle cell anemia. Science 230:1350-1354,1985
3)Saiki RK, Gelfand DH, Stoffel S, et al:Primer-directed enzymatic amplification of DNA with a thermostable DNA polymerase. Science 239:487-491,1988
4)Brock TD, Freeze H:Thermus aquaticus gen. n. and sp. n., a nonsporulating extreme thermophile. J Bacteriol 98:289-297,1969
5)Myers TW, Gelfand DH:Reverse transcription and DNA amplification by a Thermus thermophilus DNA polymerase. Biochemistry 30:7661-7666,1991
6)国立感染症研究所:デングウイルス感染症診断マニュアル(https://www.niid.go.jp/niid/images/vir1/PDF/denguelabomanual.pdf)(最終アクセス:2021年5月31日)
7)国立感染症研究所:病原体検出マニュアル 麻疹 第3.4版,2017(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/measles.v3-4.2017Mar.pdf)(最終アクセス:2021年5月31日)
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