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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻11号

2021年11月発行

文献概要

今月の特集1 今さら? 今だから学ぶPCR

リアルタイムPCR・デジタルPCRの臨床診断への応用

著者: 柳原格12

所属機関: 1地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 研究所免疫部門 2地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪母子医療センター 臨床検査科

ページ範囲:P.1148 - P.1155

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Point

●リアルタイムPCRではPCR反応の指数関数的増殖領域に設定した閾値からCt値を求める.ケミストリとしてインターカレーター法とプローブ法があり,定量法には相対定量と絶対定量の2つがある.

●リアルタイムPCRの相対定量法は,リファレンス遺伝子との量比を計算した後に,比較したサンプル間あるいはコントロールとの差を調べる.絶対定量法は既知の濃度で作成した検量線から濃度を求める.

●デジタルPCRは標準サンプルの核酸による検量線は必要なく,サンプル中の核酸の初期量を絶対定量する方法である.ドロップレット方式と,ウエルチップ(チャンバー)方式の2つの方法がある.

●リアルタイムPCRに比べてデジタルPCRの検出感度は100〜1,000倍高い.研究あるいは診断の各用途によって適切に使い分けることが重要である.

参考文献

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2)Mikami Y, Fuwa K, Arima E, et al:Validation of the loop-mediated isothermal amplification method for rapid and sensitive detection of Ureaplasma species in respiratory tracts of preterm infants. PLoS One 16:e0247618,2021
3)宮地勇人:厚生労働省委託事業「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」報告書,2021(https://www.mhlw.go.jp/content/000769978.pdf)(最終アクセス:2021年5月20日)
1)サーモフィッシャーサイエンティフィック:リアルタイムPCRとデジタルPCRおよびPCRの比較(https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/life-science/pcr/real-time-pcr/qpcr-education/qpcr-vs-digital-pcr-vs-traditional-pcr.html)(最終アクセス:2021年5月26日)
2)タカラバイオ:リアルタイムPCRの原理(https://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009037)(最終アクセス:2021年5月26日)
3)シグマ アルドリッチジャパン:(アンケートあり) PCR技術のすべて—基礎から最新技術まで(https://www.sigmaaldrich-jp.com/catalog/request/download/SAJ2074)(最終アクセス:2021年5月26日)
4)岡野和広:基礎からわかるリアルタイムPCRと成功のためのポイント,2014(https://www.qiagen.com/jp/landing-pages/regional/japan/events/webinar-archives/)(最終アクセス:2021年5月26日)
5)Bustin SA, Benes V, Garson JA,他:MIQEガイドライン:定量的リアルタイムPCR実験の公表に必要な最低限の情報.Clin Chem 55:611-622,2009(https://www.gene-quantification.de/miqe-japanese-version-2013.pdf)(最終アクセス:2021年5月26日)
6)Bio-Rad Laboratories:ddPCR文献集(https://www.bio-rad.com/ddPCR/publications)(最終アクセス:2021年5月26日)
7)Quan PL, Sauzade M, Brouzes E:dPCR: A Technology Review. Sensors (Basel) 18:1271,2018
8)Rutsaert S, Bosman K, Trypsteen W, et al:Digital PCR as a tool to measure HIV persistence. Retrovirology 15:16,2018
9)柳原格,名倉由起子,吉村芳修:デジタルPCRの高感度化と臨床診断への応用.生物工会誌 95:391-392,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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