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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻11号

2021年11月発行

文献概要

今月の特集2 インフルエンザを再考する

インフルエンザウイルスの分類と検査

著者: 影山努1

所属機関: 1国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター

ページ範囲:P.1212 - P.1217

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Point

●インフルエンザウイルスはA〜D型に分類され,A型はさらにヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の抗原性の違いでH1〜18のHA亜型とN1〜11のNA亜型に細分類される.B型はHAの抗原性の違いによって2つの系統に分類される.

●インフルエンザの検査には抗原検査や遺伝子検査などがある.それぞれにさまざまな方法があるため,各方法のメリット・デメリットを理解して利用することが重要である.

●新型コロナウイルスの出現でウイルス感染症の診断に遺伝子検査の利用が進んだ.また,全自動迅速遺伝子検査システムの利用も進んでおり,感度・特異性に優れた遺伝子検査が身近になりつつある.

参考文献

1)Webster RG, Bean WJ, Gorman OT, et al:Evolution and ecology of influenza A viruses. Microbiol Rev 56:152-179,1992
2)国立感染症研究所:週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数,2019年第36週〜2020年第35週(病原微生物検出情報:2021年3月31日現在報告数)(https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/rapid/inf3/2019_36w/sinin1_2021331.gif)(最終アクセス:2021年7月21日)
3)厚生労働省:インフルエンザ発生状況(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html)(最終アクセス:2021年7月6日)
4)Sakai-Tagawa Y, Ozawa M, Tamura D, et al:Sensitivity of influenza rapid diagnostic tests to H5N1 and 2009 pandemic H1N1 viruses. J Clin Microbiol 48:2872-2877,2010
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9)国立感染症研究所:高病原性鳥インフルエンザ診断マニュアル(第3版)(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/avian_influenza_2003.pdf)(最終アクセス:2021年7月21日)
10)国立感染症研究所:インフルエンザ診断マニュアル(第4版)(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/influenza20190116.pdf)(最終アクセス:2021年7月21日)
11)厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11331.html)(最終アクセス:2021年7月6日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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