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雑誌詳細

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 一般検査

急性腎障害(AKI)の早期診断に用いられている尿中バイオマーカーを教えてください

著者: 森田賢史1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.296 - P.297

急性腎障害(AKI)とは

 急性腎障害(acute kidney inury:AKI)は“さまざまな要因により腎機能が急激に低下する病態”と定義され,KDIGO®(Kidney Disease Improving Global Outcomes)の診断基準に基づく「AKI診療ガイドライン2016」1)に血清クレアチニンと尿量による診断基準および重症度分類が示されている(表1)1)

 AKIは腎前性,腎性,腎後性に分類され,腎性AKIは腎前性AKIよりも院内死亡率が高い可能性があるため,区別して対応することが提案されている.また,早期診断および予後予測が臨床上重要であるので,血清クレアチニンに加えて,尿中バイオマーカーとしてL型脂肪酸結合蛋白(liver-type fatty acid-binding protein:L-FABP),好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(neutrophil gelatinase associated lipocalin:NGAL),N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ(N-acetyl-β-D-glucosaminidase:NAG),α1-マイクログロブリン(α1-microglobulin:α1-MG),β2-マイクログロブリン(β2-microglobuin:β2-MG)などの有用性が検討されている.

参考文献

1)AKI(急性腎障害)診療ガイドライン作成委員会(編):AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016,東京医学社,2016

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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