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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 一般検査

糸球体からの出血を評価するには,どのような検査を依頼すればよいですか?

著者: 小堀祐太朗1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.300 - P.301

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尿検査からわかること

 尿は非侵襲的に採取できるため,腎尿路系および全身疾患のスクリーニング検査として広く用いられている.検査項目は,尿の色調観察,尿定性検査,尿沈渣検査があり,多くの病院で実施されている.そのなかでも,尿中有形成分を顕微鏡で観察する尿沈渣検査は,赤血球・白血球などの血液細胞や,腎尿路系を構成する上皮細胞,尿細管腔を鋳型として形成する円柱などを観察することができ,多くの情報を得ることができる.

 特に尿沈渣中の赤血球はさまざまな形態を示すため,その特徴から出血部位が糸球体由来か非糸球体由来かを推定することができる.赤血球の膜の厚さが均一なものを非糸球体型赤血球といい,赤血球の膜の厚さが菲薄し不均一で多彩な形態を示すものを糸球体型赤血球という.

参考文献

1)日本臨床衛生検査技師会尿沈渣検査法編集委員会(編):尿沈渣検査法2010,日本臨床衛生検査技師会,2011
●堀田真希:尿中赤血球形態変化のメカニズムと血尿診断ガイドラインにおける尿中赤血球形態情報の重要性.生物試料分析 38:235-242,2015.
●血尿診断ガイドライン編集委員会:血尿診断ガイドライン2013,2013(https://jsn.or.jp/guideline/pdf/hugl2013.pdf)(最終アクセス:2020年12月9日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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