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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 血液

破砕赤血球が何%あると有意な所見といえますか?

著者: 土屋逹行1

所属機関: 1一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院臨床検査科

ページ範囲:P.322 - P.323

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破砕赤血球とは

 破砕赤血球(schizocyte, red cell fragment)とは,循環血中で機械的な機序によって破砕された赤血球断片である.血栓性微細血管性貧血(TMA)と呼ばれる微細血管における血栓形成によって破壊されるため出現するとされている.

 末梢血液塗抹標本(以下,標本)で破砕赤血球が認められる代表的な病態は,赤血球破砕症候群(red cell fragmentation syndrome)と一括して呼ばれる播種性血管内凝固症候群(DIC),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),溶血性尿毒症症候群(HUS)などである.いずれも重篤な病態で迅速な診断と対処が必要である.検査室からの破砕赤血球を認めるというコメントは,このような病態の診断のきっかけになる重要な情報である.判定は目視によって行うので,標本を観察する臨床検査技師の技量が求められる.

参考文献

1)日本検査血液学会:破砕赤血球(http://jslh.kenkyuukai.jp)(最終アクセス:2020年11月30日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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