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増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 血液
白血球の偽Pelger核異常の意義を教えてください
著者: 野田幸代1
所属機関: 1川崎医療福祉大学医療技術学部臨床検査学科
ページ範囲:P.324 - P.325
文献購入ページに移動家族性Pelger核異常(Pelger-Huët anomaly)
遺伝性Pelger核異常は核膜上の蛋白質であるラミンBレセプター(LBR)の遺伝子変異による,顆粒球の核形態異常(低分節)を特徴とする常染色体優性遺伝である.健常人好中球の核は通常2〜5分節で,3分節が最も多く認められる.しかし,本症では文節数が1〜2分節と少なく,好酸球や好塩基球にも同様の変化を認める.発症は約6,000人に1人の割合といわれ,ヘテロ接合体の好中球は2分節にとどまり,左右対称のメガネ様が多数認められる.一方,ホモ接合体では核の分節がなく,太い桿状,あるいは類円形の単核を呈するものが多く,好中球遊走能の低下が報告されている.診断には,家族性に出現したかどうかの検索が必要となる.
遺伝性Pelger核異常は核膜上の蛋白質であるラミンBレセプター(LBR)の遺伝子変異による,顆粒球の核形態異常(低分節)を特徴とする常染色体優性遺伝である.健常人好中球の核は通常2〜5分節で,3分節が最も多く認められる.しかし,本症では文節数が1〜2分節と少なく,好酸球や好塩基球にも同様の変化を認める.発症は約6,000人に1人の割合といわれ,ヘテロ接合体の好中球は2分節にとどまり,左右対称のメガネ様が多数認められる.一方,ホモ接合体では核の分節がなく,太い桿状,あるいは類円形の単核を呈するものが多く,好中球遊走能の低下が報告されている.診断には,家族性に出現したかどうかの検索が必要となる.
参考文献
1)朝長万左男,松田晃(編):不応性貧血(骨髄異形成症候群)の形態学的異常に基づく診断確度区分と形態診断アトラス,2008(https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/pdf/mds.pdf)(最終アクセス:2020年11月19日)
2)押味和夫(監),木崎昌弘,田丸淳一(編):WHO分類第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学,中外医学社,2009
3)Arber DA, Orazi A, Hasserjian R, et al:The 2016 revision to the World Health Organization classification of myeloid neoplasms and acute leukemia. Blood 127:2391-2405,2016
●松田晃:骨髄異形成症候群の形態診断.臨血 58:336-346,2017
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