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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 血液

検体検査における抗凝固剤添加(EDTA,クエン酸Na,ヘパリン)の使い分けについて教えてください

著者: 下村大樹1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床検査部

ページ範囲:P.334 - P.335

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凝固させないメカニズム

 抗凝固剤の違いによって血液を凝固させないメカニズムが異なる.エチレンジアミン四酢酸(EDTA)とクエン酸ナトリウム(sodium:Na)は,凝固反応に不可欠なカルシウムイオン(Ca2+)をキレートすることによって血液凝固を阻止する.ヘパリンは抗凝固として働くアンチトロンビンと結合し,主にトロンビン,活性化Ⅹ因子を阻害することによって血液凝固を阻止する.なお,採血管に含有されている抗凝固剤の性状は,EDTAとヘパリンが粉末,クエン酸Naが溶液である.

参考文献

1)島津千里:なぜ凝固検査用採血は,クエン酸Naに対する血液量が厳密なのですか?.臨検 57:1248-1249,2013
2)Clinical and Laboratory Standards Institute (CLSI):Collection, Transport, and Processing of Blood Specimens for Testing Plasma-Based Coagulation Assays and Molecular Hemostasis Assays; Approved Guideline, 5th ed. CLSI document H21-A5, CLSI, Wayne PA, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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