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文献詳細

雑誌文献

臨床検査65巻4号

2021年04月発行

文献概要

増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 血液

凝固異常を示唆する出血が認められないのにAPTTが延長する場合の原因は何ですか?

著者: 松田将門1

所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院検査部

ページ範囲:P.342 - P.343

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APTT延長の機序を考える

 血液凝固反応はリン脂質とCa2+を要する,凝固因子の連続的な活性化反応である.活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)は内因系および共通系凝固因子がかかわる凝固反応を反映する.APTT延長の機序には凝固反応進行に必要な要素の不足,進行を阻害する物質の存在が考えられる.前者の例には血友病に代表される凝固因子欠乏があり,後者の例には凝固因子に対する抗体を発生する後天性血友病,活性化凝固因子に結合する薬剤の使用,リン脂質に対する抗体をもつ抗リン脂質抗体症候群などがある.これら各要因の性質を考慮することで効率的に原因検索ができる(図1).なかでも,被検血漿に正常血漿を添加してAPTT延長の“補正の可否”を評価するクロスミキシング試験は有用である.

参考文献

1)松田将門,松戸隆之,高野操,他:液剤の硫酸プロタミンを用いた簡便かつ効果的なプロタミン補充APTT測定手順の検討.臨病理 65:640-645,2017
2)山崎哲,鈴木典子,後藤宏実,他:APTTの現状と標準化に向けた課題.生物試料分析 32:365-370,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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