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増刊号 よくある質問にパッと答えられる—見開き! 検査相談室 臨床化学
プロカルシトニン(PCT)が高値です.敗血症の所見と一致しません.解釈の仕方を教えてください
著者: 三好雅士1
所属機関: 1徳島大学病院医療技術部臨床検査技術部門臨床化学・緊急検査室
ページ範囲:P.354 - P.355
文献購入ページに移動プロカルシトニン(PCT)の産生機序
プロカルシトニン(procalcitonin:PCT)はカルシウム代謝に関与するカルシトニンの前駆体である.生理条件下では甲状腺C細胞で合成・分泌され,ホルモン活性をもたない.一方で,細菌感染時には,エンドトキシンや炎症性サイトカインの刺激によって肺・腎臓・肝臓など甲状腺外の全身組織から産生される.これらの細胞ではPCTをカルシトニンに切断する酵素が存在せず,PCTのまま血中に分泌されるため,濃度が上昇する.
プロカルシトニン(procalcitonin:PCT)はカルシウム代謝に関与するカルシトニンの前駆体である.生理条件下では甲状腺C細胞で合成・分泌され,ホルモン活性をもたない.一方で,細菌感染時には,エンドトキシンや炎症性サイトカインの刺激によって肺・腎臓・肝臓など甲状腺外の全身組織から産生される.これらの細胞ではPCTをカルシトニンに切断する酵素が存在せず,PCTのまま血中に分泌されるため,濃度が上昇する.
参考文献
1)佐々木淳一:プロカルシトニン.臨検 60:400-406,2016
2)西田修,小倉裕司,井上茂亮,他:日本版敗血症診療ガイドライン2016.日集中医誌 24(Supple2):S1-S232,2016
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